小規模経営者の悩みを解決しようと、愛知県よろず支援拠点「豊橋サテライト」が２４日、豊橋市駅前大通２の開発ビル４階にオープンする。ここで売上拡大や広報戦略など、起業者らが抱える切実な経営相談に対し、専門のコーディネーター８氏が無料で何度でも相談に応じていく。
（藤田彰彦）

　母体である愛知県よろず支援拠点は、国が全都道府県一斉に１カ所ずつ設置（１４年６月）した、中小企業・小規模事業者向け無料相談窓口の一つ。元キリンホールディング常務の多和田悦嗣氏をチーフに、計１３人のコーディネーターがあらゆる相談に応じ、全国トップレベルの相談実績を誇っている。名古屋駅前（中村区名駅４）にあいち産業振興機構（森鋭一理事長）が運営しているが、東三河経済人らの要望を受け、県内初のサテライトを豊橋に設けることになった。
　新設されるサテライト（床面積６０平方メートル）は、月曜から金曜の午前９時～午後５時が相談時間。事前予約制（電話０５３２－３９－７１１１）で、応対するコーディネーターはそれぞれ、販路拡大・流通▽ネット広告・デジタル集客▽農商工連携・６次産業化支援▽金融▽経営全般▽税務・会計―など専門とする多士済々の８氏。運営方針として「伴走型支援の実施」と「地域事業者および支援機関から頼られる相談窓口」を掲げる。
　チーフコーディネーターで中小企業診断士の松井督卓（まさたか）氏は、「三河を元気にする。そのためには小規模事業者の皆さんに元気になってもらう。私たちは皆さんと寄り添いながら、とことん一緒に考えていきます」と抱負を述べる。「敷居の低い、行列のできる相談所になれば」と、サテライト開設に携わってきた、同機構の丹羽和彦経営アドバイス第１グループ課長。６月からはスタッフ２人（嘱託）が加わり、常時３人体制で対応していくという。
　２４日午後３時半から同サテライトで開所式があり、森理事長と石原君雄県副知事、田島雅敏・中部経済産業局産業部長、吉川一弘豊橋商議所会頭があいさつ。看板を除幕して祝う。また６月１日午後３時からは、豊橋市民センターで、コーディネーター８人が全員参加して自己紹介などする「開所記念セミナー」も予定されている。