２６日から２日間、三重県志摩市で開催されたＧ７・先進国首脳会議（伊勢志摩サミット）で、豊川産のバラなどを取り入れた花束が各国首脳を迎えた。愛知県やＪＡあいち経済連の協力で、世界が注目したトップ会合に、文字通り「東三河の美」が花を添えた。
（由本裕貴）

　２５日夜、中部国際空港（常滑市）で大統領専用機「エアフォースワン」から登場したアメリカ・オバマ大統領を迎えたのは、東三河産の花だった。タラップを降りてきたオバマ大統領は花束を受け取ると、笑顔を浮かべた。
　贈られたのは日本一の生産量を誇る豊川産のバラをはじめ、スプレーマムや豊橋のデルフィニウム、田原のピンポンマムなどでなる花束。
　ほかにも、カーネーションやガーベラなど東三河産を中心とした１０品種が使われ、イギリスやドイツなど他国の首脳にも同様に贈られた。夫婦で来日した国には、男性にはオバマ大統領と同じ濃い色の花束を、女性にはピンクのバラなどが基調の淡色の花束が手渡された。
　空港のタラップも階段の両脇を花束で装飾。出発ロビーでは高さ約３メートルの巨大な花壇が設置されるなど、色とりどりの花が世界の要人たちを歓迎した。
　ＪＡひまわりバラ部会の一員として、今回バラを出荷した一人の天野真光さん＝豊川市三上町＝も「自分らの育てた花が世界的に注目されるサミットに関われて光栄。国内だけでなく、海外への輸出にも力を入れていきたい」と話した。
　歴史的な一日となった２７日の広島訪問も含めて、わずか３日間の日本滞在だったオバマ大統領。東三河が育んだ花の香りも記憶に刻まれた。