豊川市議会は１１日、臨時市議会を開き、「豊川市平和公園」（仮称）の整備用地として、名古屋大学が所有する穂ノ原３の約２万９６３２平方メートルの土地取得を可決した。取得予定価格は５億５３６７万２１１２円。
（由本裕貴）

　米軍の空襲で２５００人以上が犠牲となった旧豊川海軍工廠（しょう）跡地に位置する敷地内には、防空壕（ごう）や弾薬庫などの戦争遺産が残されている。
　市はすでに整備計画を進めており、今年度中に磁器探査で不発弾が残っていないかを調査。来年度中に建物や公園を完成させ、西側の水路には蓋（ふた）をして歩道を整備する方針を示している。２０１８（平成３０）年の開園を見込む。
　また、市はこの敷地の南東側に隣接する６万５０００平方メートルも工業用地として、名大から買収する方針。これに関し、地元の「豊川海軍工廠跡地保存をすすめる会」は「敷地内にある遺跡や遺構を残してほしい」と要望しており、市は街路灯や避雷針、配電盤などを移設して展示し、保存が難しい遺構もデータとして記録する意向を伝えている。
　また、臨時市議会では赤塚山公園の市民のスクエアの人工芝化に向けて、改修工事の請負業者に岡田建設（白鳥町、岡田司代表取締役）が決定。契約金は１億５３２５万２０００円で、４月２０日に行われた入札には地元の建設会社など１５社が参加し、岡田建設が落札していた。