東三河の経済は今年も、景気回復を実感できる一年にはならなかった。ただ、この地でも訪日外国人観光客（インバウンド）の宿泊増、消費が見られ、地域経済活性化に生かす取り組みが進んだ。一方、広域連携では、８市町村による東三河広域連合が発足し、新たな一歩を踏み出した年となった。
（中村晋也）

　円安によるコスト高、物価上昇、個人消費の低迷などで地方経済は依然として潤いを実感できない状況が続く。
　こうした中、各地で地域の消費喚起を目的にプレミアム商品券が発売された。豊橋市では、１万円で１万２０００円分の買い物ができる商品券が１０万セット販売され、完売した。
　東三河でもインバウンドが注目され、自治体や経済団体が訪日外国人観光客の取り込みに向け、受け入れ態勢や取り組みの検討を始めた。
　東三河の玄関口・豊橋駅では、在来線改札内で店舗改装が進められ、１２月１４日、全店開業した。新たに食料品や生活雑貨、カフェ＆バーができ、乗降客の利便性が向上、待ち時間も有効に使える「駅ナカ」に生まれ変わった。
海フェスタ開催決定
　東三河の広域連携では、８市町村による東三河広域連合が発足し、４月から事業をスタートした。人口減少や少子高齢化などが課題となる中、各自治体が手を携え、介護保険事業の統合や、消費生活相談の事務などを進める。
　連合長に就任した佐原光一豊橋市長は、事業開始にあたり「まとめ役として意見を集約し、スピード感を持って広域連合の仕事を上手にスタートさせることが、１、２年目の大事な点」と述べた。
　また、６月には三河港をメーンに東三河を会場とする「海フェスタ東三河」の開催が決定。海に関わる催しが、来年７月１６日から３１日まで１６日間の日程で開かれることになり、地域の連携が期待される。