豊橋市は、くすのき特別支援学校の開校、大清水まなび交流館の開館、商家「駒屋」の一般公開など、長年の取り組みが結実した１年となった。一方で、豊橋の知名度アップにつながる話題があり、防災や観光の分野では着実な進展が見られた。
（中村晋也）

　くすのき特別支援学校が野依町に完成し、４月から豊橋、田原両市に住む知的障害の児童、生徒が通学を始めた。県立豊川特別支援学校の過大化解消などとして、市が設立した待望の学校が開校した。佐原光一市長は、３月の完工式で「地域と共に歩む開かれた学校を目指す。就労支援にも力を入れる」と述べた。
　同じ４月、大清水地区に地区市民館と図書館、窓口センターの３つの機能を備えた「大清水まなび交流館（ミナクル）」が開館した。
　旧東海道二川宿のまち並みが残る二川地区では、市が３カ年かけて進めていた商家「駒屋」の改修復元工事が終わり、１１月１日から一般公開された。本陣、旅籠（はたご）屋、商家の３つを見学できる日本で唯一の“宿場町”となった。開館から１カ月間で２万１９９９人が訪れている。
　同様に１１月、盛んなものづくりを継承していく取り組みの１つとして、立体の造形物を作れる３Ｄプリンタなど最新のデジタル工作機械を集め、利用できる工房「メイカーズ・ラボとよはし」が、西幸町の豊橋サイエンスコアにオープン。経験の有無を問わず、誰でも利用できる「ものづくりの場」が誕生した。