新城市は経済、観光にとって大きな転換期を迎える年になりそうだ。２月の新東名高速道路開通により、東京や名古屋などの都市圏は遠い存在ではなくなる。より広域的な経済・産業、観光政策が可能となり、新城を大きく飛躍させる可能性をはらんでいる。
（川口直康）

　中日本高速道路は昨年１２月、新東名の浜松いなさジャンクション（ＪＣＴ）～豊田東ＪＣＴ間の約５５キロが今年２月１３日午後３時に開通すると発表した。
　新東名は従来の東名とダブルネットワークを形成するため、東名の渋滞緩和、沿線の工業用地・工業団地の企業立地促進、奥三河地域への日帰り観光圏域の拡大などが見込まれる。東京へは約１５０分、名古屋市へは５５分、豊田市へは３０分と移動時間が大幅に短縮される。
　同区間が通る同市では新城インターチェンジ（ＩＣ）、長篠設楽原パーキングエリアが設置され、関係者は経済や産業の活発化、観光客の増加などへの期待を膨らませている。
　観光面では新城を含む奥三河にとって、新城ＩＣは文字通り“玄関口”として機能する。ＩＣを下りると、目の前には奥三河観光ハブステーションという位置付けの道の駅「もっくる新城」があり、観光客を出迎える。
　新東名開通で人の往来は確実に増える。「新城の良さや魅力は何なのか」と、いま一度考える必要がある。「消滅可能性都市」がクローズアップされがちな新城では、市民の間に将来への不安が渦巻く。これを払しょくするべく、今年は飛躍の一歩を踏み出す。