豊橋市民病院は４月１日から、医療機関からの紹介状なしに受診する際の定額負担（選定療養費）を初診時５４００円（税込み）に引き上げる。大病院への外来患者集中を避けるため、国が行った制度改正に合わせて実施。また、同日から外来患者の初診受け付け終了時間を３０分短縮する。これらにより、外来患者数や治療時間の適正化につなげ、東三河の中核病院、急性期病院として高度医療や救急・重症患者の治療に専念できる体制を維持する。
（中村晋也）

　同病院は１９９７（平成９）年４月から、初診料に加えて選定療養費を設定。２０１４年４月からは、現行の一般３２４０円、中学３年生以下１６２０円、７５歳以上１０８０円としている。
　今回の改定では、医科、歯科とも同額としたほか、国の制度改正による最低基準に基づき全年齢で５４００円とした。あわせて、同病院で急性期の治療を終えた後、紹介状なしに再度受診する場合の再診時２７００円を新設した。
　国や県、市などの公費負担医療を受給している場合や、診療後に緊急入院した場合などは負担の必要がない。
　一方、外来患者の初診受け付け時間は午前８時半から同１１時に変更する。
　短縮することで、午後の入院診療や手術に影響している状況の改善を目指す。外来患者は現在、１日平均約２０００人。外来診療が終わらないと手術などができず、実際に待つ状態になっているという。「外来患者数は１９００人が理想的」（市民病院）としている。
　市民病院では「かかりつけ医を持ち、紹介状によって来院することで外来診療の待ち時間が短縮でき、急性期病院としての診療体制も維持できる」と話している。