豊橋市が市内で実施した空き家（戸建て）実態調査の結果がまとまり、「貸したい」など空き家の活用を考えている所有者が半数以上いることが分かった。一方で、適切に管理されていないと見られる空き家も多く、対策として市は見回りや除草などができる市シルバー人材センターと連携して適正管理につなげる。
（中村晋也）

　空き家の増加は社会問題化していることもあり、市は実情に応じた対策を講じるため実態を調査。人が出入りしている様子がないなど外観調査や、過去に市へ寄せられた相談、苦情などに基づいて１４０３戸を対象とした。
　このうち、現地調査で明らかに空き家ではない住宅を除いた８９９戸の所有者らにアンケート調査票を送り、５１４戸の有効回答を得た。回収率は５８．１％。
　人が住んでいないと回答したのは４００戸（７８％）で、倉庫などとして利用している住宅を除いた“空き家”は１９８戸あった。
　「今後、空き家をどのようにしたい」については「貸したい」「売りたい」などの活用を望み、賃貸を考えている所有者が最多だった。
　市は昨年５月から始めた空き家の情報登録制度「空き家バンク」を所有者に照会したところ、２戸が登録、６日時点で１３戸となる。
　また、相続問題などを抱えている空き家があり、市は市建築指導課に相談窓口があることを紹介していく。
　調査結果を受け、今後、市は対策計画を策定。「解体したい」という回答も多く、今年度から解体費用を補助する。
　アンケートの返信がなかった所有者が４割いたことから、市は連絡できる管理者がいない、適正に管理する意思がないなどの空き家が相当数あるとみている。
　今後、市は適正管理に向け、シルバー人材センターと連携する。空き家の見回りや除草、樹木のせん定などの管理が、有料で可能なことを所有者にＰＲする。
　同センターには、除草、せん定ができる人がそれぞれ１００人以上いるという。市は１３日、同センターと協定を交わす。