旧東海道二川宿のまち並みが残る豊橋市二川町にある二川宿本陣資料館の２０１５（平成２７）年度入館者数が、開館時の１９９１（平成３）年度以来となる５万人を突破した。近くで商家「駒屋」が昨年１１月から新たに公開されたことによる相乗効果が主な要因。その駒屋は３月末まで５カ月間で８万人を超えた。
（中村晋也）

　市が１２日発表した入館者数によると、本陣資料館は前年度比４５％（１万５６６８人）増の５万７３２人。１日平均１６２．６人が入館した。
　開館した９１年度の５万５７７８人には及ばなかったが、ここ５、６年は３万５０００～３万９０００人で推移し、大幅増となった。
　要因に挙げられるのは、昨年１１月１日から一般公開が始まった商家「駒屋」の存在。本陣、旅籠（はたご）屋、商家と宿場を象徴する３つを見学できる日本で唯一の“宿場町”となった。入館者数は駒屋公開の１１月以降の伸び率が高く、相乗効果が表れた。
　また、２月１、８日には、ＮＨＫの番組「鶴瓶の家族に乾杯」で豊橋が取り上げられ、二川宿（二川地区）も登場。イベント「ひなまつり」（１月２３日から３月１３日）は例年、大勢の人が訪れるが、集客に拍車をかけた。期間中は土・日曜だけでなく、平日も混雑し、遠方や他県のナンバーも目立った。
　訪日外国人観光客（インバウンド）からも関心が寄せられ、本陣資料館での着物着用体験や、駒屋までの民家や商店の格子、まち並みに風情が感じられることが評価されている。
　一方、駒屋の入館者数は８万４６２０人で１日平均６６１・１人。「ひなまつり展」などの催し、多くのマスメディアに取り上げられことなどで「予想以上の数字」（二川宿本陣資料館）となった。