応援したい自治体に寄付すると居住地での税金の控除が受けられる「ふるさと納税」。豪華な返礼品で寄付額アップを狙う返礼品合戦の過熱や、熊本地震の復興支援で注目が集まる。東三河では、昨年度の寄付額が蒲郡市と田原市で前年度より７倍近く、設楽町も４倍以上と、８市町村でおおむね上回ったことが分かった。今年度、各市では返礼品を充実させ、さらなる寄付額増加を図る。
（飯塚雪）

　東三河８市町村のうち最も増額したのは、蒲郡市で８５件（前年度比５６件増）。寄付額は１００１万円増の１１７４万円だった。寄付件数の６割以上を占めた「蒲郡まつり納涼花火大会観覧席」（４～６月期間限定納付）と、昨年加えた日本一のご当地うどん「ガマゴリうどん」が好評だった。今年度からはミカンを追加し、地元特産品をそろえる。
　田原市は３６件（同２３件増）６９０万円。従来、地元野菜と果物の詰め合わせ（２０００円相当）を贈っていたが、今年度から「あつみ牛」など渥美半島たはらブランドに認定された地域特産物を選択肢に増やす。
　希少な返礼品で注目が集まったのは設楽町。前年の８件（寄付額６４万円）から大幅増の１９２件（同３０７万円）で、入手困難な日本酒「純米大吟醸　空」が返礼品にあることがインターネットなどで話題となり急増した。今年度はすでに限定５０セットの受け付けが終了している。
　一方、大幅な減少に転じたのは豊橋市。前年度から９０４万円減、寄付件数は４分の１ほどの３０件しか集まらなかった。返礼品は豊橋総合動植物公園など市内の教育文化施設で使えるチケットか、記念手拭いで、これまで「華美でない、豊橋を知ってもらえるもの」との姿勢だった。納税者も市民が多く、市の特色をＰＲするチャンスを逃した形になった。